bfcacheによる「離脱ポップアップ」機能の課題と確認方法

bfcacheによる「離脱ポップアップ」機能の課題と確認方法 #

現在の離脱ポップアップ機能の仕組み #

ウェブサイトにおける「離脱ポップアップ」(Exit Intent)機能は、ユーザーがサイトを離れようとするタイミングで追加の情報やオファーを表示し、離脱を思いとどまらせる重要なUX手法です。🔄

現行の実装では、以下のような方法で離脱ポップアップを実現しています:

  • ユーザーが閲覧中のページに仮想的な履歴ポイントを作成しています
  • この履歴ポイントは実際のページ遷移を伴わない、ブラウザの履歴スタック内の「仮想ページ」となります
  • ユーザーが「戻る」ボタンをクリックすると、まずこの仮想ページに戻り、離脱ポップアップが表示されます

[!NOTE]
この方法の最大の利点は、ブラウザのネイティブな「戻る」機能を完全に無効化せず、ユーザーエクスペリエンスを尊重しながらも、サイト離脱の機会にマーケティングメッセージを届けられる点にあります。

bfcacheによる機能障害の説明 #

近年のモダンブラウザは、ナビゲーション体験を向上させるためにさまざまな最適化技術を導入しています。その一つが「bfcache」(Back-Forward Cache)です。しかし、この技術が離脱ポップアップ機能と競合する問題が発生しています。📉

bfcacheの基本と問題点

  • bfcache(Back-Forward Cache)対応ブラウザでは、前のページが直接キャッシュから復元されることがあります
  • ページの状態(JavaScript実行環境を含む)がメモリ内に保存され、ナビゲーション時に再利用されます
  • この場合、挿入した仮想ページがスキップされ、離開挽留ダイアログが表示されない状態が発生します
  • 結果として、ユーザーがサイトから意図せず離脱してしまうケースが増加します

[!IMPORTANT]
bfcacheは主にモバイルブラウザでのパフォーマンス向上のために重要な技術ですが、離脱ポップアップの実装方法では、期待通りの動作が得られないケースが増えています。

問題の確認方法 #

お使いのウェブサイトでbfcacheが離脱ポップアップ機能に影響しているかどうかを確認するには、以下の手順が有効です。🔍

ブラウザ開発者ツールを使った確認

  • 特定のブラウザでの動作テストにより、bfcacheが原因かどうかを確認できます
  • 開発者ツールのネットワークタブで、ページが実際に再読み込みされているかを確認してください
    • bfcacheが有効な場合、「戻る」操作でネットワークリクエストが発生しません
    • 通常の遷移では新たなリクエストが記録されます
  • 「Performance」タブで「bfcache hits」などのイベントを監視することも有効です
    • Chrome DevToolsでは「Timings」セクションにbfcacheの使用状況が表示されます

実践的な確認手順

  1. テスト対象のページを開く
  2. 別のページへ移動する
  3. ブラウザの「戻る」ボタンをクリックする
  4. 離開挽留ダイアログが表示されるか確認する
  5. 同じ手順をさまざまなブラウザとデバイスで繰り返す

[!TIP]
Chrome、Firefox、Safariなど、異なるブラウザエンジンを使用するブラウザでテストすることで、より包括的な問題把握が可能になります。特にiOSのSafariではbfcacheの影響が顕著に現れることがあります。

現状と今後の対応 #

残念ながら、この問題には現時点で完全な解決策が見つかっていません。🧩

現在の制約

  • 現時点では、bfcacheによる離脱ポップアップ機能の制限に対する完全な解決策はありません
  • この問題はブラウザの仕様に関連するため、すべての環境で一貫した動作を保証することは困難です
  • 異なるブラウザベンダーが独自の最適化アプローチを採用しているため、統一的な対応が難しい状況です

今後の対応方針

  • 今後も技術動向を注視し、代替手段が見つかり次第、サポート情報を更新いたします
  • ご不明点やさらなる詳細が必要な場合は、いつでもサポートチームにお問い合わせください

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